耳に涼しい由緒語り
- おでん

- 2020年7月4日
- 読了時間: 2分
更新日:2021年5月2日
こんにちは。のしん先輩からバトンを引き継ぎました、おでんです。
今年は梅雨にしては雨が少ない、と思っていましたが、昨日は物凄かったですね。
樋にたまった大量の落ち葉が雨で流れ出て、家の前が落ち葉だらけです。

先日ひさしぶりに能の公演を見る事が出来ました。
中でも印象に残ったのは『賀茂』でした。
第六十一回自演会で先輩方が出された能ですが、客席から見るのははじめてでした。
前場では里の女が祭壇のいわれを尋ねられ語りだします。
聞き手の神職がうがった質問をするのでどんどん話は深まっていき、賀茂の三神のことにまで及びます。語り手の里の女が、はじめはそのあたりに住む女にしか見えないけれども、話が深まるうちにただものに見えなくなってくる展開です。
ついには去り際に女の正体が神だとわかるという、この静かな盛り上がりに引き込まれました。そして後場での神の出現で最高潮を迎えます。神の出現は何度見ても鳥肌が立って、つい前のめりになってしまいます。
前場は全体的に水の流れを背景に展開していくので、謡も水の清らかさをたたえます。舞台上の白羽の矢も相まって、見た目にも、耳にも涼しい演目です。
賀茂の舞台である京都の夏は、油照りといわれる暑さです。そんな暑さの中、下賀茂神社のみたらし祭りは大人気。『賀茂』を観て、私も小さい頃、母と手をつないで冷たい水に足をひたしたのを思い出しました。
観世会館を一歩出ればやはりうだるような暑さでしたが、疎水の音を聞くと賀茂の舞台が頭に浮かんで、すこしだけ涼しくなるような気持がしました。

ちかごろ新しい生活習慣にすっかり慣れてしまいました。外にも出ず、景色も見ずに過ごしていただけに、賀茂の清冽さが深く印象に残ったのかもしれません。先が見えない中ですが、新鮮な気持ちで日々に臨んでいきたいです。
ここまでおつきあいありがとうございます!

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