悲劇の姉弟 蝉丸
- 番長

- 2020年6月25日
- 読了時間: 2分
更新日:2021年5月2日
こんにちは。
いぬきさんからバトンを受け継ぎました、番長です。
先日お散歩がてら、奈良きたまちにある般若寺に行ってきました。
このお寺は「コスモス寺」とも呼ばれていて、境内にコスモスなどたくさんの花が咲いていることで有名なお寺です。
今の時期は紫陽花も咲いていて、とっても綺麗でした。


さて、今回私が語らせていただくのは、能「蝉丸」です。
蝉丸は、私が能の中で、ストーリーにおいても謡や言葉の美しさにおいても、最も好きだと思う曲です。
「蝉丸」という名前ですが、シテは逆髪という女性です。
蝉丸は逆髪の弟で、能の中では大抵ツレとして登場します。
逆髪と蝉丸は二人ともとても高貴な生まれにも関わらず、逆髪は名の通り逆立つ髪、蝉丸は盲目というハンディをそれぞれ抱えていたことで、花の都を泣く泣く離れ、賤しい流浪の身となってしまいます。
そしてその二人が偶然にも逢坂山(あふさかやま)で再会。
二人は思わぬ再会を喜び、互いの境遇を嘆き合います。
苦しみを分かち合える二人が再会し、手を取り合って共に生きていくのかと思いきや、二人は別れ、別々の道を歩んでいきます。
逢坂山を舞台に、高貴な姉弟の悲劇と離別を描いた、終始悲哀に満ちたお話です。
でも私にとって逆髪と蝉丸はただ悲しみだけを湛えた人物ではありません。
悲しい運命を背負いながらもその運命から逃れようとせず、自分の運命と向き合う強さと健気さを持った人物です。
二人が共に生きることを選ばなかったのが、それを示していると思っています。
いかにその身が落ちぶれようとも、醜く荒れ果てた姿になろうとも、随所からみえる彼らの心の清らかさが、私はとても好きです。
(あくまで個人の解釈・感想です!)
この「蝉丸」、なかなか上演されない比較的珍しい演目なので、私もまだ1回しか観たことがありません。
もしお近くの能楽堂で上演される機会があれば、滅多にないチャンスですよ!
詞一つ一つがとても美しい曲なので、蝉丸を知らない方は是非そこにも注目して観てみてください。

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